■安心して依頼できるかどうか
今でこそ業界全体の勢いは衰えを見せているものの、いわゆる「バブル」の時代には飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を遂げた建設業界は、良くも悪くも不透明な部分が多々あります。
少し前に話題になった「偽装」然り、素人には到底把握することができないような部分にまで影響が及ぶ存在だからこそ、「本当に安心して依頼することができるのかどうか」が非常に重要です。
仮に事業として建設会社と交流を持っている場合であれば、契約(依頼)以前にその会社が信用に足る存在なのかどうかを判断することができますが、一般人にその判断を適切に下せる人はほとんどいません。
それも関係してか、時にはまったく把握できていないところで悪質な違法行為が行われていることも往々にしてあります。
当然、ほとんどの会社が真摯に対応していますが、可能性としてゼロではないことを理解しておく必要があります。
世の人がどのような認識を持っているのかはまちまちですが、少なくとも「信用ならない存在」という印象を持っている人が一定数以上いることに違いはありません。
しかし、そういう状況だとしてもマイホームを建築する場合などは建設会社または工務店を相手にやり取りをしなければいけないため、少しでもリスクを回避するためにも知識を身に付けておく必要があります。
どの程度の知識を身に付けるのかは状況によりますが、基本に関してはしっかりと把握しておいた方が賢明です。
■細部にわたって具体的なイメージを持つことが大切
自宅物件を新たに建設する場合、できる限り細部にわたって具体的なイメージを持つことが重要です。
たとえば、
「外観はタイル張りでモダンな雰囲気にしたい」
という希望をもっている場合と、
「コンクリート打ちっぱなしでクールな感じにしたい」
と思っている場合ではまったく状況が違います。
いずれもデザイナーズ系の物件では良く用いる手法(デザイン)ですが、だからといって誰もがこのデザインに満足するとは限りません。
まったく同じコンセプトで制作する物件だったとしても、その人独自の感覚がある以上は「同じものは二つとない」と考えた方が賢明です。
そして、その感覚を少しでも共有してもらえるように伝える準備をすることも大切です。
いかに優れた感覚やイメージを持っていたとしても、それを制作者が共有することができなければ何の意味もありません。
むしろ、稚拙なイメージだとしてもしっかりと共有できた方が高い満足度を得られる可能性があるだけに、「如何にして感覚を共有するのか」を意識して準備を進めていくことが肝心です。
人によって複数件の不動産を購入する場合もあり得ますが、基本的には一軒のみの契約です。
何らかの理由で複数件契約することになる場合には、それぞれ異なる明確なコンセプトを持って依頼することが普通です。
むしろ、明確な意図やコンセプトを持たずに複数件の不動産を購入する状況はほとんどあり得ないため、当然ながらそれに必要な準備は十分に整っていることがほとんどです。
よくあるドラマや映画に登場する建設会社のイメージとしては、いわゆる「ゼネコン」然とした存在だというものが少なくありません。
談合、癒着、天下りなどネガティブなイメージが拭えない業界ですが、少なくともその状況があったとしても一般的に知られることはありません。
もちろん、現実にもそういった状況は存在していますが、少なくとも作品と現実には異なる部分は多々あります。
■建設会社は利用するなら長い方が良い
企業や実業家に至っては、自社物件を建築する機会が少なくないので業界と接することも多くなり、その都度、建築会社を厳選するわけにはいきません。
もちろん、常に新しい選択肢を手に入れるという目的で開拓をし続けることも可能ですが、そうであればいっそのこと不十分な建築会社だとしても長く付き合った方が何かとメリットが期待できるほどです。
つまり、「利用するなら長い方が良く、開拓するなら適切な基準を持つ必要がある」ということになります。
一般的に触れる機会が多いのは、ゼネコンというよりもその末端企業です。
「不動産業者」という存在は自社で物件を一切所有していない可能性もあることを良く理解し、適切に付き合っていくためにはどうするべきなのかを考えておくことが大切です。
少なくとも、業者の言うがままにうなずいていたのでは理想的な不動産を作り上げることができないことは認識し、「絶対に譲れないもの」だけでも整理しておいた方が良いでしょう。
それが延いては納得できる物件を建築(購入)することにつながっていき、それに止まらず購入後のメンテナンスを含めて安定感を高めることにつながっていきます。
素人だから分からない、プロだから分かることを指摘してもらえる環境が出来上がるので、建築時のクオリティを高めるだけでなく、その状態を少しでも長く維持していくことにもつながっていきます。
素人にとっては「黒い」というイメージが少なくないながらも、親身で良心的な建築会社を見つけることこそが最大のポイントです。
最終更新日 2025年6月27日 by uyhom