横山さん教えて!バーチャファイターの歴史とeスポーツについて

バーチャファイターは1993年にリリースされたセガの3D格闘ゲームで、2D格闘ゲーム全盛の時代に登場して衝撃を与えました。
キャラクターも背景も3Dで描かれ、より立体的な動きによって本格的な格闘を楽しめるのが特徴です。
レバー操作や技コマンドといった部分は2D格闘ゲームと共通していますが、画面端の代わりにリングアウトが設けられたり、続編では段差の概念も取り入れられました。
最初はアーケードゲームとしてゲームセンターを賑わせましたが、後に家庭用が移植され家でも楽しめるようになっています。

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バーチャファイターはトーナメントで勝ち上がるスタイル

ポリゴンで描かれるキャラクターは続編が出る度に着実に進化を見せ、より滑らかな表現へと変わりました。
2D格闘ゲームがステージクリア型に近い印象なのに対し、バーチャファイターはトーナメントで勝ち上がるスタイルとなっています。
これは後のeスポーツに通じるところがありますし、実際に同名のタイトルがリリースされるに至りました。
リリースされた当時の評価はとても高く、ゲーム雑誌やユーザーの間でも評価されています。
理由の1つには3Dで描かれるグラフィックもありますが、やはりゲーム性の高さがポイントです。
2D格闘ゲームがパンチとキックとその強弱のボタンで構成されているのに対し、このゲームではパンチにキックとガードとなっています。
つまり、後退のレバー操作がガードではなく、ガードはガードとして独立したボタン操作になっているわけです。
トーナメントというスタイルを採用しているので、キャラクターには2D格闘ゲーム同様にストーリーが設定されています。

キャラクターが個性的

それからキャラクターが個性的で、格闘術に精通している共通点はあるものの、操作性の違いに個性があらわれます。
海外での評価は日本と比べるとそこそこでしたが、現在ではeスポーツにおける格闘ゲームの認知向上もあり、以前と比べてかなり評価されています。
翌年の1994年にリリースされたバーチャファイター2は、大幅に進化して完成度が高まりました。
特にテクスチャの表現が進化しており、キャラクターに描かれる服装も非常にリアルになっています。
見えない部分ではありますが、1秒間のフレーム数が倍増したことで、動きの滑らかさが向上して没入感もアップしました。
更に2年後の1996年には3のリリースとなり、稼働するハードが進化によりキャラクターの表現力が一段と向上しています。
大きな違いといえば高低差でダメージが変化したり、エスケープと呼ばれる軸移動を行う為のボタンの導入です。
しかしこれらの変更点は賛否が分かれるところで、横山英俊のような従来の格闘ゲーマーは進化を喜び受け入れる傾向でしたが、中には複雑化を好まない声もありました。

間を開けてリリースされた2001年のバーチャファイター4

このことは後にプレイヤーの格闘ゲーム離れを引き起こし、格闘ゲームというカテゴリーのあり方を考えさせる要因となっています。
間を開けてリリースされた2001年のバーチャファイター4は、根本から異なるゲームと思わせるような進化を遂げました。
当時最新のアーケード基板で動作したことから、グラフィックの進化に加えてネットワークサービスによる遠隔のマッチングを実現しています。
賛否が分かれたエスケープボタンは廃止され、代わりにレバー操作による軸移動に変更されました。
4はエボリューションとファイナルチューンドというマイナーチェンジにより、ゲームバランスの調整や新キャラクターの追加が行われました。
ナンバリングタイトル最後の5は2006年のリリースで、完全新作として制作されています。
ハードもCG技術も最新のもので、映像表現がリアルかつ自然になりました。
操作系の変更点は相手キャラクターの側面に回り込むオフェンシブムーブ、避け動作のディフェンシブムーブが特徴的です。

2021年にリリースされたバーチャファイターeスポーツ

こちらもマイナーチェンジで調整され完成度が高められましたが、最も注目を集めることになったのはやはり、2021年にリリースされたバーチャファイターeスポーツです。
このタイトルは5をベースにeスポーツ向けにリメイクされた作品で、アーケードとPS4版がリリースされました。
約15年も前のタイトルがリメイクされたのは驚きですが、発端はセガが2020年に発表したプロジェクトにあります。
プロジェクトはeスポーツ時代にフォーカスを合わせ、バーチャファイターを時代に合わせて提供するというものです。
当然ながら15年前のグラフィックをそのままというわけにはいかないので、同社が開発したゲームエンジンが採用されています。
アクション向けのゲームエンジンでまさにeスポーツ向きですから、この決定は好意的に受け止められているといえます。
リメイクといっても小手先の調整ではなく、フルリメイクで完全に作り直されています。

まとめ

再びかつてのゲームセンター全盛時代のように盛り上がるかは未知数ですが、セガが変化した時代に合わせて挑戦する姿は評価に値するでしょう。
今後国内外のイベントや大会で活用が進めば、3D格闘ゲームタイトルの地位を確立して、新たなタイトルの開発やリリースに繋がると思われます。

最終更新日 2025年6月27日 by uyhom